使用する予定のない不動産をお持ちの方のなかには、早く売却してしまいたいと思う方もいるでしょう。
しかし、「不動産が古く修繕をしないと売れない」と思ってはいませんか?
そうお困りの方にご紹介したいのが、「現状渡し」という売却方法です。
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不動産の現状渡しとは、不動産の修繕や解体をせずに買取業者や買主に売却する方法です。
たとえば、外壁の著しい破損や雨漏り、水回りの破損など居住することに困難が生じている状態でもそのまま引き渡すことができます。
ただし、現状渡しには売却主に課される法的責任があります。
それが、「契約不適合責任」と「告知義務」です。
以下で解説します。
売却主に課させる責任①契約不適合責任
売却主に課される責任の1つ目が、「契約不適合責任」です。
契約不適合責任とは、「売却した不動産の内容が、売買契約の内容に一致していない場合、買主が売主に引き渡しあとであっても売買契約の内容に見合うよう責任を求める権利が認められること」です。
たとえば、売買契約書に「給湯器の故障」が記載されていなかったが引き渡し後に発覚した場合、売却した側が修繕費を支払わなければいけません。
もしも、目的を達成できない場合は代金の減額請求や損害賠償請求、場合によっては契約解除もあり得るのです。
ただ、契約不適合責任は永久に追及できるものではなく、買主が契約内容の不一致を知った時点から1年以内と決まっています。
また、双方とも個人であればその期間を短くする取り決めや、不適合責任を免責にする特約を設けることも可能。
不動産の状況に合わせて、仲介業者と相談して決めるとよいでしょう。
売却主に課される責任②告知義務
売却主に課される法的責任の2つ目は、「告知義務」。
告知義務とは、「不動産について把握していることを買主にすべて伝えなければいけないこと」です。
これは、不動産の今ある破損や不具合はもちろん、修繕履歴や補修箇所も告知の対象。
さらに、過去に起こった事故や事件についても対象とされており、これらを告知しなかった場合買主から損害賠償を請求される可能性があります。
ただ、経年劣化による傷みなどは告知の対象から外れると言われることもあるため、かならず査定時に確認をとりましょう。
そのうえで、「現状確認書」や「付帯設備表」を作成すればのちのトラブルを事前回避できますよ。
不動産売却で現状渡しをする双方のメリット
売却主への法的責任は、その他の方法と比べて重くなりますが当然メリットがあります。
また、欠陥のある不動産を購入する買主にはあまりメリットはないのではと感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
ここでは、双方のメリットについて解説します。
売却主のメリット①修繕コストがかからない
売却主にとっての1つ目のメリットは、なんといっても修繕コストがかからないことです。
不動産売却は基本的に引き渡しの前に基本的な手入れや修繕をしておく必要がありますが、現状渡しの場合は移動できる家具や家電の撤去以外はそのままで売却可能。
築年数が古い不動産や地方の不動産の場合、修繕コストがかさんでしまい赤字になる可能性もあります。
これを回避できるのが、売却主にとっての現状渡しの最大のメリットといえます。
売却主のメリット②早期売却が叶う
売却主にとっての2つ目のメリットは、不動産の早期売却が可能なことです。
現状渡しは修繕の必要がないため、通常の不動産売却で必要となる工事業者の選定や工事スケジュールの調整、工事による期間を設ける必要がありません。
買取希望者の内覧もすぐに可能なため、売却までのスケジュールが短期間で済みます。
買主のメリット①購入費用が安い
続いて買主にとってのメリット1つ目は、購入費用が安いことです。
通常の中古不動産は売り出しの前に修繕が必要ですが、その費用は不動産の価格に上乗せされていることが一般的です。
しかし、現状渡しの場合は当然修繕コストが削減されており、かつあまりきれいな状態ではないことが大半なため、安い価格で売り出される傾向があります。
したがって、リフォームすることを前提に中古不動産を購入する場合は、現状渡しのほうが購入費用が安く済むため買主にとって都合がよい場合もあるでしょう。
買主のメリット②引き渡しまでが早い
買主にとってのメリット2つ目は、引き渡しまでの期間が早いことです。
通常の中古不動産は修繕してから引き渡しすることが一般的ですが、不動産の状態によっては修繕が長期になる場合があります。
買主の都合によっては早期に引き渡してもらいたいこともあるでしょうから、成約から引き渡しまでの期間が短いことはメリットと言えるでしょう。
また、売却主も早期売却を目的としている場合が多いため双方の利害が一致していれば成約も早くできる可能性があります。
不動産売却の現状渡しによる双方のデメリット
ここまで、不動産の現状渡しによるメリットを解説しました。
しかし、どのような売却方法でも売却主・買主のどちらにもデメリットはあります。
ここからは現状渡しにおける双方のデメリットを解説します。
中古不動産とはいえ大きな決断ですので、デメリットも確認したうえで現状渡しを選択しましょう。
そうすることで、納得して不動産を売却・購入することができます。
売却主のデメリット①家具・家電の撤去責任
売却主のデメリット1つ目は、家具・家電の撤去責任があることです。
外壁の破損や雨漏りなど、不動産そのものの修繕はしなくてもよい現状渡しですが、移動可能な家具や家電の撤去は売却主がおこなう必要があります。
冷蔵庫や洗濯機のような大きなものだと、業者にリサイクル費用を支払って回収してもらわなければならないかもしれません。
ただし、買主との協議で家具や家電を残した状態での売却に同意が得られる場合もあります。
状態がよい家具や家電があれば、買主に申し出てみましょう。
売却主のデメリット②売却価格が相場より安価になりやすい
売却主のデメリット2つ目は、売却価格が相場よりも安価になりやすいことです。
これは、現状渡しが破損や不具合があることを前提としているため仕方がないことといえます。
また、買取希望者からも値引きの申し出があるのが通例であるため、それを想定した価格設定をしておきましょう。
値引き額の下限を設けておくとよいのですが、損をしたくないがために売却価格にこだわりすぎると買い手がつかない可能性があります。
売却価格や値引き額に関しては、仲介業者とよく相談しましょう。
買主のデメリット①修繕コストが高額になる可能性がある
買主にとってのデメリットは、不動産の状態によっては、修繕コストが高額になる可能性があることです。
もともとリフォームすることを想定して購入していたとしても、リフォーム済みの綺麗な中古不動産を購入するよりも総額では高くなってしまう場合もあります。
これを回避するために、建物現状調査(インスペクション)を実施しましょう。
建物現状調査(インスペクション)とは、規定の講習を受けた建築士が建物の状態を確認し、検査結果を告知することです。
これにより、修繕コストの予想が立てやすく引き渡し後のトラブル回避にもつながるのでぜひ活用してください。
まとめ
不動産売却方法の1つである「現状渡し」について解説しました。
現状渡しは、不動産の不具合を残した状態で売り出すため、通常よりも売却主にとって不利な方法です。
しかし、修繕の必要がないことや早期に手離せることは大きなメリットではないでしょうか。
売却前にしっかりと準備することで、トラブルを回避することも可能です。
不動産売却に悩んでいる方は、現状渡しも視野に入れ検討してみてはいかがでしょうか。
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